最近、国際電気標準会議 EE は、主にポータブル バッテリー認証規格 IEC 62133-2、エネルギー貯蔵バッテリー認証規格 IEC 62619 および IEC 63056 に関連する、バッテリーに関するいくつかの CTL 決議を承認、発表、および取り消しました。決議の具体的な内容は次のとおりです。

IEC 62133:2017、IEC 62133:2017 +AMD1:2021：バッテリー60Vdc制限電圧要件をキャンセル

2022 年 12 月、CTL はバッテリー パック製品の電圧が 60Vdc を超えてはならないという決議を発行しました。IEC 62133-2 には電圧制限に関する明確な記述はありませんが、IEC 61960-3 規格を参照しています。

CTL によってこの決議が取り消された理由は、「電圧の上限が 60Vdc であるため、電動工具などの一部の産業製品がこの標準テストを受けることが制限される」ためです。

(PDSH2211)

IEC 62133:2017、IEC 62133:2017 +AMD1:2021：充電温度動作要件を解除

同様に、昨年 12 月に発行された中間決議では、基準の付録 A.4 に次のように記載されているものの、第 7.1.2 条の方法（充電温度の上限および下限での充電を要求）で充電する場合、次のように提案されました。充電の上限温度/下限温度が 10℃/45℃ではない場合、予想される充電上限温度は +5℃、充電下限温度は -5℃である必要があります。ただし、実際のテストでは+/-5℃の動作を省略し、通常の上限/下限充電温度に従って充電を行うことができます。

この決議は今年のCTL総会で可決された。

(DSH2210)

IEC 62619:2017：バッテリー機能の安全性評価にサードパーティが開発したBMSを利用

この決議は、バッテリー BMS システム機能の安全性評価に関するものです。

現在、ほとんどの電池メーカーはサードパーティから BMS を購入しているため、電池メーカーが詳細な BMS 設計を理解できない可能性があります。試験機関が IEC 60730-1 の付録 H を通じて機能安全評価を実施する場合、製造業者は BMS のソース コードを提供できません。

この場合、テストエージェントは、知的財産権を保護するために、BMS メーカーと独立してソースコードを評価できます。電池システムの機能安全性解析は必須であり、電池メーカーがソースコードを提供できないからといって評価を取り消すことはできません。

現時点ではまだ暫定決議であり、2024年のCTL本会議で承認される予定だ。（PDSH2230）

IEC 63056:2020：絶縁抵抗試験電圧

IEC 63056:2020 条項 7.4 (輸送および設置時の電気絶縁検査) は、絶縁抵抗試験について IEC 62133:2017 を参照しています。これは編集ミスです。参照先は IEC 62133-2:2017 である必要があります。このエラーは IEC TC21A に通知されています。

IEC 63056 規格は最大電圧 1500Vdc の製品をカバーできますが、IEC 62133-2:2017 絶縁抵抗試験の試験電圧は 500Vdc です。バッテリーシステムの最大電圧が 500Vdc を超える場合、どのテスト電圧を使用する必要がありますか?

絶縁抵抗試験では、評価に引き続き IEC 62133-2:2017 5.2 が使用されます。ワイヤと絶縁体は、予想される最大電圧に耐えるのに十分である必要があり、IEC 60950-1:2005、3.1 および 3.2 の要件に従って評価される必要があります (IEC 63056:2020 の第 5.2 項を参照)。

下図を参照して、絶縁抵抗試験を行う場合、絶縁抵抗計の接続方法は2通りあります。テストデバイスとテストサンプルが直列に接続されている場合、それらの電圧が重畳され、バッテリーシステムの一部の絶縁が範囲を超えるテスト電圧に耐える可能性があります。この時点でシリーズテストを実行する必要がありますか?

電圧重畳が生じる直列接続は適しません。この違いの理由は、IEC 63056:2020 の目的が「DC 接点の絶縁抵抗とシステム保護導体電位」を測定することであるためです。IEC 62133-2:2017 の目的は、「バッテリーの正極端子と外部露出金属表面 (電気接触面を除く) の間の絶縁抵抗」を測定することです。現時点ではこの決議はまだ暫定決議であり、2024年のCTL本会議で承認される予定である。（PDSH2229）